えー、きょうもふるさとしずおかはいいところだねぇって話をひとつ。
東海道という街道は、五街道に数えられる他の街道と比べても、非常に豊かな恵まれた街道だと言えます。
しかし、その反面 通行の障害が少ないために、江戸期以前は人為的に都市部、特に駿河や江戸などの天領を守るために流入するヒト、モノ、カネを制限する必要がありました。
以前に話題にした各地の関所などもそうですが、ここふるさとしずおかにも天然の要害となった『越すに越せない』大河があります。
ということで、きょうは大井川の川越しのお話。
『箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川』。
古くから箱根に伝わる馬喰節ですが、近代にいたるまで、ふるさとしずおかの大井川はまさに『越すに越されぬ』大変な難所だったのです。
その理由は何か。
なんと、橋が無い。しかも、架橋のみならず渡し船も禁止されていたのです。
もちろん、治水技術の問題もあったのでしょうが、天領である駿府を西国の勢力から守るために、ヒトやモノの往来を制限することが目的でした。
そこで、旅人のために川越し人足が登場します。
屈強な川越し人足は、旅人を肩車したり、連台に乗せて対岸まで運んでくれますが、料金はその日の川幅や水深で変動しました。
川札1枚の金額は水深によって変わります。残されている資料によれば、水深が股通しで48文、帯上68文、乳通し78文、脇通し94文とあります。
旅人は、川会所で住所、氏名などを告げ川札と呼ばれる切符を買うわけですが、川札1枚で川越し人足がひとり雇えます。連台の場合は、川札は2枚。それに担ぎ手4人で合計6枚の川札が必要でした。
つまり、1文30円換算で、肩車で渡るには1,500円~3,000円、連台で渡るには安くても9,000円もかかったんですね。
そう考えると、参勤交代の大名行列なんかは一体どうやって渡ったんでしょう…。
考えただけでも恐ろしい。
島田市 川越し街道には、旧東海道筋の大井川東岸300mほどが再整備され、往時を偲ばせるいにしえの街道の風景を見ることができます。
いわゆる切符売り場だった川会所、人足の詰所だった番所、草鞋や笠の売店の荷縄所などが再現され、賑わった江戸期を偲ばせます。
ふるさとしずおかには、こういういいところがあるんですねぇ。
で、きょうのおまけはふるさとしずおかは葵区平和の『蕎麦処 こなや』
ここの蕎麦、旨いですよ。コシがあって香りもいい。つゆは辛くもなく甘くもなく。
天丼も丁寧です。
ふるさとしずおかは旨い蕎麦屋が多いなぁ。