月別アーカイブ: 2014年11月

油山寺で精進を考える、のココロ。

数日前の新聞。
日本では、『若者の失業率が中高年のそれよりも高い』という記事を見つけました。
うーむ。なるほど。
実は、この若年層の離職については、私が今の仕事に就いたころからよく話題になっていました。つまり、もう20年前も前から。
『3年で3割の新卒が職を離れる』といわれてからも久しい。
この傾向は今も続いているんですね。
総務省によると、14年9月の完全失業率は3.6%。これは改善傾向にあります。
このうち、15歳から24歳は5.9%、25歳から34歳は4.6%。
35歳から54歳が3.3%といいますから、確かに若者の失業率は高い。
彼らの離職の理由は、賃金をはじめとした条件や仕事の内容がマッチしないからだそうです。
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えー、きょうも、ふるさとしずおかについて。
遠州袋井の油山寺。遠州三山に数えられる名刹です。
紅葉の名所としても知られるこの寺は、701年、行基によって開山されました。
なんと、1700年以上の歴史があるのです。
23日の新嘗祭には神社参りをするのが日本人ですが、
お出掛けついでに足を伸ばしました。

山門は城郭作り。それもそのはず、掛川城の大手門を移築したのだそうです。
本堂は江戸中期、三重塔は鎌倉期の建築と、紅葉以外にもたくさんの見どころがあります。
IMG_22921-150x150IMG_22991晩秋の冷気が頬を刺し、空気全体が心地よく張りつめているような気がします。 こういうところに来ると、『精進』することの大切さを感じたりします。
『精進』。つまり、一つのことに集中して励むこと。
茶道、華道、剣道、柔道などに用いられる『道』という漢字がありますが、この『道』という字が示す意味も似ています。
人が同じ道を行ったり来たりして極みに達することを意味するのだそうですが、人の人生も、大局的に見るとそういう一面があります。

若いうちに仕事を変わることは悪いことではありません。
むしろ、そのほうが良い結果に繋がることもあります。
私だって、若い頃はポイポイ転職しました。
しかし、だからこそ私は思うのです。
それって、『精進』しているのかなぁと。
やっぱり、『道』を行ったり来たりして高みを目指す努力もしなくちゃね。

IMG_2251で、きょうのおまけは、牛山精肉店の塩チャーシュー。
沼津は三園町にある肉の名店です。
厳選の国産黒毛和牛とこだわりの牛山ポークで有名ですが、思わず『うーむ』と唸ってしまうのは、ここの大将の肉に賭ける情熱と確かな眼と腕です。
こういう人を『匠』というんですね。
写真の塩チャーシューは、肉派を唸らせる逸品です。
全国どこでも電話で注文受け付けますから。
海外は無理かな。

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2025年、70万人をキープしよう、のココロ。

きょうも、ふるさとしずおかについて。
全国の求人倍率が少し下がったようです。1.09倍。
ふるさとしずおかは横ばいで1.08倍。
まだ全国平均を下回っています。
11月1日の日経新聞によれば、静岡県の有効求人倍率が全国平均を下回るのは、これで28か月連続だといいます。
IMG_2272しかし、一方でこんな市場でも新規求人は増え続けています。
ふるさとしずおかの新規求人倍率は、前月に較べて0.04ポイント増の1.68倍。これは僅かながら全国平均を上回っているそうです。
押し上げているのは、介護・医療とサービス・小売り。
製造業は微増。少しづつ労働移動が進んでいるようです。

そんな中、静岡市は15年度から向こう8年間の市政運営方針を示す『第三次静岡市総合計画』の最終案をまとめ、
団塊の世代が75歳以上になる20125年に総人口70万人を維持することを目標
IMG_22631に掲げました。
統計によれば、静岡市の人口は99年の71万6,000人をピークに減少に転じ、25年には65万3,000人まで減少するとされています。
つまり、プラス5万人を実現しなくてはならないということですが、これは本当に大変なことです。
市は、この実現のために、市外への転出が目立つ20歳前後の進学や就職の場を充実させたいということですが、
果たしてその具体策は…。

私は、かねてから観光に重点を置くことが地域振興の重要な手段となると考えていますが、
この観光重視はサービス・小売りと表裏一体です。
若い人たちには、是非ともそういう世界に身を投じて業界や地域を盛り上げてほしいなぁと思うのです。

IMG_22761きょうは、遠州森町にある大洞院の紅葉を紹介。
大洞院は、15世紀初頭の開創で、全国に3,000を超える末寺を持つ名刹です。
あの、次郎長親分の子分 森の石松が眠る地として、全国のギャンブラーの聖地の一つとなっています。
石松の墓石は、縁起担ぎで参拝者が削り取って持ち帰るので、なんと現在は三代目なのだそうです。
見ごろには少し早い時期でしたが、古くから紅葉の名所として知られるだけあって、多くの観光客が訪れていました。
静かな山里がにぎわう束の間の季節です。

IMG_22611おまけは、島田市は金谷の 麺や 奏心(そうしん)。
ここのラーメンは、最近一押しです。ダントツのナンバー1。
にぼしなどの魚介や鶏がらの出汁に店主のこだわりと丁寧な仕事が滲み出ます。
なぜか、この店に行くと、よく古い馴染みに偶然行き会います。
不思議だなぁ。
きっと、みんな好きなんだね。

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御幸、のココロ。

60年代中盤、少しとがったアイビールックに身を包み、当節のストリートカルチャーの担い手となった若者を、人々は『みゆき族』と呼びました。
若い頃、憧れたなぁ。洒落た人たちがいたんだなぁって。
石津謙介のVANや少しコンチネンタルのJUNのイメージが重なり、彼らがファッションの一部にしたLotusやHONDAのスポーツカーにも痺れました。
彼らは、銀座のみゆき通りにたむろしたことでこう呼ばれたのだそうです。
私たちから見ると、おじさんおばさんにあたる世代の50年も前のカルチャーです。

ところで、この『みゆき』。
漢字で書くと『御幸』と書きます。もしくは『行幸』。
つまり、天皇の外出を意味する言葉ですが、今ではその通る道を含めてそう呼んだりします。
『御幸』と名のつく通りは全国にあまた存在しますが、ふるさとしずおかでも駅前にドーンと走っています。そう、御幸通り。
知人のフードコンサルタントによると、JR静岡駅から北へまっすぐに伸びるこの通り、正式には県道27号線 井川湖御幸線は、1930年の昭和天皇の静岡御幸にちなんで名付けられたそうです。
御幸町というのは比較的新しい町名ですが、さかのぼれば由緒正しきいわれがあるんですな。
IMG_15853そして、もうひとつ。
東海道は、江戸から数えて16番目の宿場町 由比宿。
この由比宿の本陣は、現在は本陣公園として再整備されていますが、その公園内に『御幸』を名乗る和風建築が建っています。
『御幸亭』。
この御幸亭は、明治帝が行幸された折にご休憩なさった本陣の離れを移築したものだそうですが、控えめな印象ながら、細部にわたって入念な演出が施された素晴らしい数寄屋建築です。
小堀遠州といわれる北側の枯山水は一見の価値あり。

IMG_15824山岡鉄舟や徳川家康にもゆかりがあるのだそうです。

そうそう。
由比といえば、先週から桜えびの秋漁が始まりましたなぁ。
どうですか?この週末あたりに出かけてみては。

ふるさとしずおかは、本当に見どころがいっぱいです。

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文化の日に御用邸、のココロ。

『忘れられない人がいる どうしても会いたくて』
と歌ったのは小田和正。
秋はセンチメンタルな季節といいますが、なぜか最近、そういう思いを抱えた男子の相談が多い。
海を隔てた遠い地に思いを残してきた人もいれば、すぐ近くにいてももう会えないという人もいます。
悩ましいですなぁ。
しかし、そういう悩みはいいと思います。男はそういう思いを抱えて大人になるのですな。
IMG_1487えー、きょうもふるさとしずおかについて。
きのうは文化の日でした。明治帝がお生まれになった日。
そんなわけで、沼津は島郷にある沼津御用邸記念公園を訪れました。
沼津の御用邸は、1893年に大正天皇(当時は皇太子)のご静養のために作られたものですが、本邸に加え、しばらくして皇孫殿下(のちの昭和天皇)のご静養所とご学問所のそれぞれ西付属邸、東付属邸が造営されました。
IMG_0098大東亜戦争末期の沼津空襲で本邸が焼失し、今は付属の両邸を残すのみですが、15万平方メートルにも及ぶ広大な敷地は、北に富士を望み南に内浦の海を抱え、温暖な同地が日本有数の避寒地であった往時を今に伝えます。
海沿いに立つと、東に牛臥山、南に伊豆は大瀬崎が見えます。当時は、この地を海の軽井沢などと称したそうです。
現存する付属邸はともに明治年間に造営されたもので、京都で見ることのできるような更に年代をさかのぼったものと比べると近代的でかつ質素にも見えますが、皇室のみに使われる十六八重表菊の紋章の示す通り、実に荘厳な贅を尽くした建築物です。
実にすばらしい。
IMG_7243西暦2014年は皇紀2674年。今上天皇は第125代の天皇です。
喧騒を離れた別世界で、皇統と国の歴史を思う良い一日になりました。
ふるさとしずおかには、こういういいところがたくさんあるんですね。

ところで、冒頭の歌はこう締めくくります。
『いつかきっと会えるその時まで、僕はここで待っているから』
現在を生きる女子と違って、男子は過去と未来を生きる生き物なんですなぁ。
頑張れ、男子。

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丸子の大鯛焼き、のココロ。

『丸子』と書いて、ふるさとしずおかでは『まりこ』と読みます。
なぜか、懐かしい感じがする名前ですが。
古くは『鞠子』と書いたそうですが、この丸子、江戸期には東海道の20番目の宿場町として栄えました。
今ではとろろ汁の里としておなじみです。
IMG_2214えー、きょうは雨でしたなぁ。
秋の長雨と言いますが、この雨は明日まで続くようです。
そんなあいにくの空模様の中、ふるさとしずおかでは大道芸が始まりました。今年もまた一流のパフォーマーが世界中からこの地に集います。
どうか、盛大なお祭りになりますよう。

IMG_2213さて、そんな喧騒を離れ、きょうは丸子は大鈩(おおだたら)に来ています。
繁き木立に降る秋雨がたてる音が耳に心地良い。
あとは、静かな川のせせらぎしか聞こえない静かな静かな山里です。
鞠子宿は、同地の難所 宇津ノ谷峠を越えた、あるいは越える宿場でした。
広重の東海道五十三次にも在りし日の姿をとどめています。
古の旅人は、鞠子宿に草鞋を脱ぎ、とろろ汁で旅の疲れを癒したのでしょう。
そう思える風情を平成の今も残しています。
IMG_2215そんな山里に、数年前あらたな名物が誕生しました。
丸子の大鯛焼き。
『大鯛焼き』と名乗るくらいだからその大きさは相当なものですが、職人の池田さんが焼くこの鯛焼きの本当の特徴は、パンパンに詰まった北海道産の濃厚な粒あんとカリカリモチモチの皮。
これが実に美味い。話題性と中身が両立した見事な名物といえます。
ちなみに、その大きさは大中小の品揃えで、それぞれ60cm、26cm、16cm。
小だって結構な食べごたえです。
できれば誰かさんと半分こして食べるのがよろしい。
店の裏にはなぜか水琴窟もあったりして。
竹の筒を耳にあてると美しい琴の音のような水音が聞こえます。

そういやあ、2年半前にもこの鯛焼きのこと書いたなぁ。
尾頭付きだから洒落を利かせたご進物にもなるね。

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