2014年9月29日
ブラック企業という言葉がすっかり市民権を得ています。
私は、この言葉がどうも好きになれませんが、こういう業界に長く身を置いていると『〇〇社はほにゃららだ…』などとブラックな噂話を耳にすることも結構あります。
確かに、人材を消耗品のように考えた事業の進め方をする企業は存在します。
しかし、これも程度の問題なんですけどね。
事業理念の実現とマンパワーを絞り出すことは、いつの時代もせめぎあいの関係になりやすいのです。
だって、頑張らなきゃ夢は実現しないもんね。
そう、程度の問題なのです。
労基法云々の前に、そこに労使双方の良心が存在しないといけません。
しかし、一方ではこれまで以上に働く人々のことを重く考える企業も増えてきました。
我が国の人手不足はそれほど深刻な局面を迎えているのです。
この春から秋口にかけて、大手流通系企業のアルバイト・パート正社員化のニュースが相次ぎました。
ふむふむ。そうか。
ん?待てよ。短時間労働の正社員ってありなの?
そもそも、正社員って何なんだ?
私のところに来てくれる相談者のみなさんは、100%正社員希望です。
そこで、試しに聞いてみました。『正社員ってなんですか?』。
答えの多くは『賞与がある』、『雇用が安定している』の二種類。
でもねぇ…。これって半分は当たっているけど半分は当たってないんですよね。
正社員でも賞与が無いことはあるし、雇用契約だって打切られることはあるのです。
しいて言えば、『正社員』というのは、雇用期間に定めがない、フルタイム勤務で時間外勤務に定めがある、くらいしか特徴が無いんですよね。
こうして考えると、なんだか正社員の正体ってはっきりしない。
いっそのこと、そろそろやめませんか?
正社員って名称に振り回されるのは。
2014年9月18日
私の小学校時代の恩師は写真家でもありました。
躍動的で強さと温かさのある先生でした。
あの頃、子供の私は、先生の説く『自由』という言葉の意味を大真面目に考えたものです。
思い起こすと報恩の念が尽きない文字通りの恩師です。
しかし、大人になって記憶をたどると、熱血漢だとばかり思っていた先生に、躍動感や強さ以外に、繊細さや芸術的な側面があったことに気づきます。
そんな先生は、当時、写真集を出版しました。
『月曜日、電車は来ない』
74年7月7日の『七夕豪雨』によって巴川が氾濫し、それが原因で廃線となった清水の路面電車の記録です。
その1ページ、1ページが感傷的な、そして郷愁を誘う写真集です。
ふるさとしずおか、とりわけ、旧静岡市、旧清水市の人々の生活の場には、遠い昔からその傍らに常に『巴川』がありました。
先の七夕豪雨では、この川は人々の生活に災いをなしましたが、平時には多くの恵みをもたらしてきました。
ふるさとしずおかには、この巴川を見張る電気工事会社があります。
災害時に、巴川が暴れだして人々に被害が及ばないように設けられた幾つもの水門。
これを制御するシステムを構築しました。
10数名の小さな電気工事会社ですが、ふるさとしずおかでは名の知れた老舗です。
しかし、長い間県内の電気工事をリードしてきた同社も、世間の例にもれず世代交代の時期を迎えています。
本来ならば、電気工事に関わる資格を持った方がいいのですが、官への営業や事業管理に長けた方であれば、それを武器に同社にチャレンジする作戦も立てられます。
滅私奉公とは言いませんが、『俺がやるぜ』なんていうふうに、会社のことを真剣に考え切り盛りしてくれる方がいれば、私が同社に挑戦する水先案内をします。
2014年9月8日
英国車が大好きな私は、一時期ROVER社のサルーン ROVER75という車に乗っていましたが、これは英国の香りに満ちた非常に魅力的なサルーンでした。
カッパーリーフレッドと呼ばれるワインレッドのボディはクラシカルな丸みを帯びたデザインで、柔らかな室内灯に照らされるインテリアも、角のないノスタルジックな雰囲気に包まれていました。
しかし、この英国淑女は実によく壊れた。本当に。
ほとんどの場合、ラジエターファンの不具合が元で、冷却系が損傷します。
その元凶は、ラジエターファンのモーターでした。
このモーターを構成する、小さな小さな部品が故障の原因だったのです。
小さな部品と侮ってはいけません。残念ながら、英国製のそれは決して信頼性の高いものではありませんでした。
このように、最近の自動車には、実に多くのモーターが使われています。
パワーステアリング、パワーウィンドウ、ABS、燃料系統などなど。
そのモーターの基幹部品の一つと言われる整流子。
この高い精密成型の技術が求められる高性能の整流子を作るメーカーが、ふるさとしずおかは御前崎市にあります。
55年創業の同社は、精密成型の技術を武器に、自動車用、家電用のモーターに使用される整流子を金型から手がけます。また、近年は、その高い技術を転用し、各種工業製品の精密部品製造も手がけます。
同社では、現在、金型設計、製品設計、生産技術などのエンジニアリング部門で人材採用を進めています。
ニッチな市場で手堅いシェアを持つ魅力的な会社です。
気になる方は、どしどしお問い合わせください。
2014年9月1日
『県内企業 新卒応募 4割減』、『首都圏、大手に人材流出』。
一月ほど前、こんな新聞記事が目にとまりました。
それと前後して、『県内人口22年ぶり370万人割れ』、『人手不足 物価を押し上げ』など、ふるさとしずおかの地域社会、地域経済の危機を知らせるニュースが相次いで発表されました。
今、我が国とふるさとしずおかに、大きな変化の波が押し寄せています。
このような統計的な情報が示す事実は、日常生活の中ではそれほど強い実感を伴うものではありません。
しかし、少しづつ、そして確実に、私たちの生活にこれまでになかった変化が起きているのです。
例えば、かつて私たちのふるさとしずおかは、日本の地方都市の中でも仕事が潤沢にある地域でした。
しかし、現在の有効求人倍率は全国平均の1.09倍に対して1.07倍。僅かづつ上昇しているとはいえ、08年のリーマンショック以来、実に6年にもわたって全国平均を下回っています。
人口が減少し、貴重な人材が首都圏に流出しはじめています。
ふるさとしずおかにもキラリと光る魅力ある企業はたくさんあるにもかかわらず。
今、私たちが暮らすこの地域社会について、真剣に考え、行動することがもとめられています。
ふるさとしずおかを再び輝く地域に。
私は、そんな思いでこの事業を営んでいます。